浅き夢見じ酔いもせず
今から1200年ほど昔。
日本から一人の若い僧が中国へと渡りました。
空海。
のちに弘法大師といわれます。
教科書には唐に渡った僧として
最澄と空海が
同じフォント、文字の太さで書かれていますが、出発時の待遇は全く違います。
最澄は地位も高く、国から派遣される立場のため、すべて費用は国持ち。
(会社でいったらすべて経費で落ちる(いいね〜!!))
空海は留学僧という低い立場のため、すべて自費です。
「行くのは許可するよ。でもお金は個人負担ね」です(自分だったらどうする?どうやる?)。
相当な額になりますが、そのお金を捻出する才覚が空海にはあったとのこと。
すごい。。。
天才といわれた空海は
日本からいきなり来た僧にも関わらず
他の多くの中国人の弟子をさておき
唐の高名な恵果和尚から
当時中国にあった密教の教えをすべて伝授されます。
で、あっという間に日本に帰ります。
京都の東寺(教王護国寺)は空海が開祖です。高野山金剛峯寺もそうです。
筆の腕前も歴代一と言われ
治水や教育機関の設立も行っている。
「日本が世界に送り出した最初の天才」
そんな触れ込みをどこかで見たことがあります。
そんな空海が作った歌。
誰もが一度は聞いたことがあります。
あの有名な「いろは歌」です。
仮名を重複させずに
七五調の韻律でうたいます。
意味は、ものすごく雑に言うと、色んな事があるけど囚われずにいこうぜ、というような歌です。そっちの方が、いいことあるよ、という歌です。
仮名で
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いろはにほへと ちりぬるを
わかよたれそ つねならむ
うゐのおくやま けふこえて
あさきゆめみし ゑひもせす
漢字にすると
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色は匂へど 散りぬるを
我が世誰ぞ 常ならん
有為の奥山 今日超えて
浅き夢見じ 酔ひもぜず
単語の意味
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色は匂う = 花が咲く
常ならん = 常に変わらないものはない
有為 = 有為とは常に一定ではないこと
奥山 = 奥山とは超えにくい深い山のこと
現代語で意味を付け足して分かりやすく訳すと
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花は咲いても散ってしまう
人もモノも変わらず同じ姿でこの世にとどまることはない
好きや嫌いで囚われ、様々に流転を繰り返す生を、今日超えていく
(だから)お金も家も、地位も名誉も、人との関係そして自分自身でさえも永遠に続く、なんてはかない夢を、もう見ることはない
幻影の世界に酔うこともなく、安らかな気持ちだ
※中学生の教科書ガイドとさまざまなHP参照
中学生には難しい気もするけど
大人になるとちょっと感じるものがある。
家庭教師Hanuman
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